大会結果 2009年度大会 大会レポート

2009年9月10日一部修正

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開会式

ジャパンマイコンカーラリー(以下、JMCR)大会の一般部門の分離に伴う、初めての一般部門全国大会である『ルネサスマイコンカーラリー競技大会』がルネサスマイコンカーラリー事務局主催にて2009年8月23日(日)に秋葉原UDXアキバスクエアを会場に開催された。

Webにて募集、即定員となった全国からの最終エントリー者は、一般の部113台、オープンの部49台。自慢のマシンを入れたケースを手に参加者が、朝7 時30分にはアキバ・スクエアに集まり始めた。開場の8時と共に会場入り、ガラス越しに見ていた大会コースの全容を目のあたりにした。今大会のコースは全長が80.39mとマイコンカーラリー大会始まって以来の長さとなり、クランク6カ所、レーンチェンジ3カ所、坂道2カ所、蛸壺カーブ4カ所を配し、果たして優勝タイムが何秒になるか皆が胸の高まりを覚えた。本コースの試走は開会式前の限られた時間で一人1回のみで行われ、控え室横には短い試走コースが準備された。

9時25分開会式が執り行われた。主催者のルネサス側を代表し大会委員長の(株)ルネサス北日本セミコンダクタ 監査役の渡辺泰紀氏が挨拶、ご来賓としてJMCR全国大会の会場校である北海道札幌国際情報高等学校の教諭でJMCR実行委員会事務局長の向平弘之氏、防衛大学校情報工学科教授の滝田好宏氏が紹介され、いよいよ大会の幕が切って落とされた。

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過去最長の80.39mのコース

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ひしめく控え場所

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大会委員長のルネサス北日本セミコンダクタ 監査役・渡辺泰紀氏の開会式挨拶


予選

走行はIN側、OUT側から各1回走行し、タイムの良い方を記録とする。一般の部は予選タイム上位32台が、オープンの部は上位8台が決勝トーナメントに進む。

10時20分、一般の部の予選がスタート。第1レースは相手選手が棄権のため、池田選手・リバース号が皆の注目を集めてスタート。視線が強かったためかコースアウト。初記録は第3レースの桑畑選手・Ruitare(ルイタウラ)号が36.28秒で完走し皆の拍手を受けた。この後コースアウトが多い中、松村選手・スピードマスター号が24.12秒と目を見張る走りを見せ、その後30秒以内が予選通過の目安となった。観客を沸かせたのは、舘野選手・360度走る号。四角い車体が90度ずつ回り走行方向を変えることで、クランクをクリア、残念ながら完走は2分以内という規則にかかり失格となったが、観客から大きな拍手を貰った。予選1回目の最速記録は徳永選手・件(クダン)号で20.62秒、深澤選手・テスタープロト号が20.64秒とその差百分の2秒差で2 位。三輪選手・Infiny号が21.17秒と3位で続いた。

続いてオープンの部予選がスタート、走行第1レースの青柳選手・テスター柳号、井戸選手・テスターイード号の両マシンが23.34秒、28.88秒の素晴らしいタイムで完走し拍手を受けた。その後コースアウトが目立つ中、30秒以内のマシンも多く8台の予選通過には25秒以内が目安となった。紅一点の玉川選手・白楊の赤い彗星号は安定した走りで25.97秒で完走し実力を見せた。予選1回目の記録は、1位青柳選手・テスター柳号23.34秒、2位白井選手・最速号23.63秒、3位小林選手・モスキート号24.04秒となった。

12時40分、予選第2回目がスタート。一般の部は1回目からタイムを伸ばす選手が多く、設定を高くしてきたことが伺えた。走行が進む中、マイコンカー常連の強豪、藤坂選手、西村選手、田中選手、笠井選手などのマシンがまさかの2回とも脱輪で皆の驚きとタメイキが聞こえた。予選2回走行合わせての記録は、 1位徳永選手20.31秒、2位深澤選手20.64秒、3位三輪選手Infiny号21.01秒となった。決勝トーナメントには予選タイム上位32選手が進んだ。オープンの部も第1回走行より設定をあげ、タイムを上げてきた。2回目で完走が6台あった。予選2回走行合わせての記録は、1位青柳選手・テスター柳23.31秒、2位白井選手・最速号23.92秒、3位榎本選手・Fahrenheit号24.26秒となった。決勝トーナメントには予選タイム上位8選手が進んだ。

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いよいよ予選開始

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走行前に、ルールどおり作られているか車検を行う前

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緊張のスタート直前!


決勝トーナメント ~一般の部 1回戦~

さて、決勝トーナメントの前に当日の観客の様子をお伝えすると、場所が秋葉原、しかも人通りが多く外からガラス越しに競技が見えるということで多くの方のご来場を頂いた。家族連れ、若者、買い物した荷物を持った方、観客席は競技の間ほとんど一杯だった。外国人の方も多く何をやっているのか興味深々で説明受けると"ワンダフル"と感心しきりだった。マイコンカーのご老公・田村さんは大会にエントリーするも残念ながらマシンが間に合わなかったが開場とともに来場され丸1日競技をご覧頂いた。その他にもあっという間の定員締め切りでエントリーできなかった方々も多くご来場頂いていた。

大会に戻り、14時10分いよいよ決勝トーナメントがスタートした。ここからは勝ち抜き戦だが、今回ルールは両者コースアウトの場合、直前のレース結果でのタイムが優先され、再レースは行わない。このため一戦一戦に緊張が走るレースとなった。一般の部の1回戦は、予選上位と下位の組み合わせで行われる。見せ場は、第1レースからやってきた。予選1位の徳永選手・件号と西崎選手・RB2009号がコースアウト。会場にどよめきとためいきが起こったが、予選で速い徳永選手が勝ち上がった。16レース中番狂わせは4レース。全て上位マシンのコースアウトによるもので完走の重みを感じた。1回戦ベストタイムは深澤選手・テスタープロト号の20.78秒であった。

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第1レース 西崎選手vs徳永選手

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第6レース 奥村選手vs阿佐美選手

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第8レース 星野選手vs井上選手


決勝トーナメント ~オープンの部 ベスト8~

一般の部1回戦終了後、オープンの部の決勝トーナメントの全レースが行われた。オープンの部準々決勝結果は4レース中1レースは両者コースアウトだったが、その他は順当に予選上位選手が立ち上がった。準決勝は波乱となった。予選1位の青柳選手がコースアウト、安定した走りの予選4位の榎本選手が完走し決勝に進出した。もうひとつのレースはなんと両者コースアウト。白井選手が1回戦の記録から決勝に進んだ。3位決定戦は小林選手がコースアウト、青柳選手が 23.42秒で完走し3位となった。いよいよオープンの部決勝、タイム的には白井選手が上回っていたが準決勝に続いて無念のコースアウト。予選から決勝まで5回のレース全て24秒台で完走の安定した走りを見せた榎本選手が24.28秒で優勝、観客の大きな拍手を受けた。

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第1レース 青柳選手vs中島選手

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決勝戦 白井選手vs榎本選手

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オープンの部優勝の榎本選手


決勝トーナメント ~一般の部 ベスト16~

さて、一般の部に戻り決勝トーナメントの2回戦。第1レースは徳永選手と河野選手の常連強豪対決、河野選手がまさかのコースアウト。徳永選手は20.49秒で今度は完走しベスト8に勝ち上がった。その後予選4位の星野選手がコースアウトで敗退したものの、他のレースは順当に予選上位が勝ちあがり、予選1位、2位、3位、5位、6位、7位、8位、13位がベスト8と、速くて安定したマシンが名乗りをあげた。準々決勝第1レース、我々はまたも徳永選手の強運を見ることになる。徳永選手がコースアウトし堤谷選手が最終の坂道カーブに向かい誰もが完走と思った時、坂道の頂点部からなんとコースアウト。両者コースアウトにより前の結果から徳永選手がベスト4に勝ち上がった。結果を見るとベスト4に勝ち上がったマシンは予選1位、2位、3位、5位と順当となった。いよいよ大詰め、準決勝第1試合、徳永選手と小倉選手。1秒差のタイム差を埋めようと設定をあげたか小倉選手が坂道下部でコースアウト。徳永選手が完走し決勝に進んだ。もうひとつの準決勝は両者予選からこれまでの5回全て完走の深澤選手と三輪選手の対戦、両者完走の素晴らしいレースとなったが、20秒台で勝ち進んできた深澤選手がまたも20.53秒で勝利し決勝に進んだ。3位決定戦、三輪選手、小倉選手の互いに相手を良く知るライバル同士の対戦となった。 期待通り接戦となり皆が見つめる中僅か0.22秒差の21.68秒で三輪選手・Infiny号が制した。いよいよ大詰め、一般の部の決勝戦は予選1位の徳永選手と予選2位の深澤選手の対戦となった。両者とも20秒台のマシンでありその決勝を見ようとコース周りは観客で溢れた。決勝トーナメントで2回のコースアウトがある徳永選手と予選からここまで全て完走の深澤選手。独特の緊張の中スタートの音が鳴った。両者素晴らしいスピードでコースを次々にクリア。どちらが先行しているのかわからない中レースは終盤、最後は坂道と、蛸壺カーブからそれぞれゴールに飛び込むマシン。タイムの表示を皆が見つめた。 20.44秒と20.56秒。その差0.12秒で徳永選手・件号が一瞬速くゴールを駆け抜けた。観客から大きな拍手。普段から積み重ねた努力が、幸運の女神を呼び寄せ、また、実力で勝ち取った優勝となった。深澤選手もこれで予選から7回全て20秒台で完走。どちらに転んでもおかしくない走りだった。徳永選手は、一般大会分離前の本年(2009年)1月のJMCR全国大会でも優勝。今回の第1回ルネサスマイコンカーラリー競技大会の優勝と合わせ2連覇となる。今後、打倒徳永選手・件号と皆から目標とされる存在となった。

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堤谷選手vs大嶋選手

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決勝戦のタイム 左が深澤選手、右が徳永選手のタイム

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一般の部優勝の徳永選手


アトラクション

優勝レースの余韻が残るなか、防衛大学・滝田教授プロデュースによるアトラクションが行われた。最初に一般の部の優勝・徳永選手とオープンの部の優勝・榎本選手によるレースが行われた。すでに過去の大会を通して顔見知りの2人、兄貴と弟という感じで徳永選手がコース選択を榎本選手に任せ、INコース徳永選手、OUTコース榎本選手でスタート、両者順調に半周を快走しいよいよ勝負所と思った時に、榎本選手のマシンが連続レーンチェンジでコースアウト。会場のどよめきの中、徳永選手・件号はスムーズにゴール。榎本選手はくやしそうな表情で握手したが、両者並んで会場から大きな拍手を受ける時は満足そうであった。

続いてのアトラクションとして滝田教授が準備してくれたのが、高速度カメラによるレーンチェンジやクランクでのマイコンカーの動画。徳永選手が呼ばれ件号がどういう挙動をしていたか見ながら、徳永選手のマシン設計の考え方をインタビュー。技術公開はマイコンカー競技の素晴らしいところであるが、徳永選手も、つつみ隠さずマシンの特徴を答えてくれた。続いて小倉選手、榎本選手のマシン特徴のインタビューがあり、纏めとして滝田教授から「細かいところの積み重ねで安定した速いマシンができる。そこで身に着けた技術は他にも応用できる」との話があり、全ての選手達が安定した速いマシン製作へのモチベーションを新たにした。

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滝田教授プロデュースによる解説、説明しているのは徳永選手

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高速度カメラを使ったスローモーション映像で解説が行われた

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榎本選手はマシンの特徴を話してくれた


表彰式、閉会式

ルネサスマイコンカーラリー競技大会は全ての競技日程を終え、会場では選手同士の笑顔の交流が見られる中、準備も整い、表彰式、閉会式が行われた。まず、島津審判長から結果発表。入賞の一人一人に会場から暖かい大きな拍手が贈られた。

始めに一般の部の表彰、優勝は徳永選手・件号、渡辺大会委員長から表彰状と賞金が贈られ大きな拍手を受けた。続いて2位深澤選手・テスタープロト号、3位三輪選手・Infiny号。ベスト8は小倉選手・オグラケラ号、中岡選手・STIKK号、本行選手・Suzupy号、堤谷選手・δS4号、小池選手・黒鷲号にそれぞれ表彰状と賞金が贈られた。ベストタイム賞は徳永選手が20.31秒で獲得、2冠となった。

オープンの部の表彰。優勝は榎本選手・Fahrenheit号、ルネサス渡辺大会委員長から表彰状と賞品のルネサスグッズが贈られた。2位は白井選手・最速号、3位は青柳選手・テスター柳号で、それぞれ表彰状とルネサスグッズが贈られた。ちなみにオープンの部のベストタイムは青柳選手の23.39秒であった。

表彰式の後、滝田教授より今大会の講評として、「マイコンカーは自分との戦いであるが、聞けば必ず教えてくれるのはマイコンカーならでは。一般の部の大会としての今後の新しい技術に期待する」とのメッセージを頂いた。大会の締めくくりとして主催者側を代表し大会事務局長(株)ルネサスソリューションズ取締役 風間仁氏から「今大会の原点は横須賀大会、単に勝った負けたでなく技術を分かち合うことが素晴らしい。今後の大会については決まり次第インターネット上でお伝えする。」との御礼の挨拶があり、全国から秋葉原に集まった選手、観客の大きな拍手の中、大会の終幕を迎えた(O)。

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滝田教授による大会の講評

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一般の部で入賞した皆様 おめでとうございます!

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オープンの部で入賞した皆様 おめでとうございます!


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