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マイコンカーは、マイコンボードを搭載し、独自に車体を製作、プログラミングした手作りのマシンです。マイコンカーは大きく分けて、車体の製作、マイコンボードを含めた電気回路、プログラムに分けられます。
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車体
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◇外形
幅300mm、高さ150mcm以内、長さに制限はありません。
◇重量
重量については、制限がありません。成績上位のAdvanced Classのマイコンカーは700〜1000gくらいです。
◇電源
単三型の充電電池(1.2V)を使用します。規則でAdvanced Classは8本以内、Basic ClassやCamera Classは8本を使用することと、決まっています。
Advanced Classは、8本を全て使っても良いですし、軽量化のために6本にしているマイコンカーもあります。
◇駆動モータ
必ず、指定モータ(RC260RA18130)を使用しなければいけません。Advanced Classは4個以内、Basic Class、Camera Classは2個(必須)を使用します。
◇ステアリングモータ
Basic Class、Camera Classは規定のラジコンサーボを使用します。Advanced Classは、ラジコンサーボを使用しているマイコンカーもありますが、上位入賞するマイコンカーは、高性能モータ(maxon製など)を使用してステアリング部分を製作しています。
◇タイヤ
グリップの良いタイヤを使用します。ただし、車検でタイヤの粘着性を調べますので、べたべたしたタイヤは使用できません。シリコンシートというグリップが良くなるシートが販売されています(→販売先)。これを使用するとグリップが格段に良くなります。
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電気回路
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◇マイコンボード
実行委員会承認のマイコンボードを使用します。2019年度現在、ルネサス エレクトロニクス製のR8C/38Aマイコンが搭載されたRY_R8C38ボードなどが承認ボートとなっています。
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◇電源の構成
電池は単三2次電池(1.2V、リサイクルマークがあること)を使用します。Basic Class対応の標準キットは4本をマイコンボードなどの制御用、4本をモータとサーボ用に使用します。
◇センサ
センサは、デジタルセンサ(白と黒を見分ける)、アナログセンサ(白色、灰色、黒色をマイコンのA/D変換で0〜1023の値に変換)、カメラ(例えば320×240ドットでコース情報を取得)などを使用します。マイコンカーはその情報を基に、サーボと駆動モータを制御します。
標準キットは、白か黒か(灰色は白か黒かどちらかにボリュームで調整する)を8個のセンサで判断してハンドル角度、モータの回転数を制御しています。センサの間隔や個数をどうするかなど工夫のしどころです。上位入賞者は黒色、灰色、白色を判断できるセンサを搭載して、微妙なずれも検出できるようにしています。
◇モータ駆動回路
標準キットは左右のモータを、正転、逆転、ブレーキ(モータ間ショート)動作させることができます。レギュレーションではマイコンカーがバックすることはありませんが、一瞬逆転させることにより、強力なブレーキをかけることができます。上位入賞者は、モータ間を開放することによりフリー状態を作り、左右回転差を吸収しているマイコンカーもあります。
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プログラム
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◇マイコン
選手はマイコンボードにプログラムを書き込み、マイコンカーの制御を行います。
◇走行方式
マイコンカーは一度スタートスイッチを押すと後はマイコンカー任せです。ラジコンカーは人間が操作しますが、マイコンカーは完全に自走します。
◇開発言語
標準キットの制御プログラムは、C言語の内容が公開されています。もちろん、アセンブラでも対応可能です。 ◇開発環境
ルネサス エレクトロニクスが提供している「ルネサス統合開発環境」を使用して、マイコンカーのプログラムを作成することができます。
◇モータの制御
R8C/38AマイコンではタイマRDという16ビットタイマを使って、簡単にPWM波形を出力することができます。この機能を使ってモータのスピード制御を行います。
◇サーボの制御
モータと同じようにPWM波形をサーボに加えることによりハンドル角度を制御します。ちなみにサーボは16ms周期のパルスを加え、そのON幅でハンドル角度を制御します。おおむね、1.5msのON幅でまっすぐ、0.8msで左へ90度、2.3msで右へ90度切ることができます。
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