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2003年大会大会レポート
決勝トーナメント[高校生の部・一般の部]

幸運の女神、再び

今回「幸運の女神」が舞いおりた、琴似工業高校 新松沙野香さんと愛車「完遂III」
予選の興奮をそのまま引っぱる形で決勝トーナメントがスタート。昨年、一般の決勝レースで起こった信じられないドラマが、高校生の部で今年も再現されようとは誰が予想しただろうか...。札幌琴似工業高校3年生の新松沙野香さんは、34秒56と27位のタイムで決勝に進出した。新松さんのトーナメント1回戦の相手は、熊本県立球磨工業高校の前田純至君。前田君は6位で予選を通過、タイムは25秒40で、新松さんとは10秒近くの差があった。前田君の愛車「MKF」は、スタート後順調にスピードを上げてコースを走行。勝敗は誰の目にも明らかと思ったその時、奇跡は起きた。「MKF」がゴール直前でまさかのコースアウト。新松さんの愛車「完遂III」は一台で悠々とゴールし、2回戦に駒を進めてしまった。そして2回戦。昨年を知っている人は、今年もまた...という思いが脳裏に浮かんだかも知れない。その思い通り、相手の山口県立宇部工業高校 大塩君の「しお」が、これまた先にゴールに向かっていたのに直前でコースアウト。「完遂III」はしっかりとゴールし、見事にベスト8進出を決めてしまったのである。


予期せぬ自体に、審判団一同集まって協議中。
その他2回戦では、予選通過タイム5位、大阪府立今宮工業高校の静裕貴君が、相手の車がコースアウト後、勘違いにより一週目のゴールポスト通過で車を取り上げてしまったというアクシデントがあった。審判団一同協議の後、両者コースアウトとみなされ再レース。再レースでは皮肉にも、一回目コースアウトした熊本県立御船高校の田上勇君が、静君より早くゴールし、ベスト8に進出した。やはりマイコンカーラリー全国大会、今大会もレポートに掲載する様々な話題を提供してくれる。


師弟対決後、お互いをたたえあう滝田先生と武田さん。
一般の部では、完走車が29台だったため、予選通過タイム1位〜3位までは、1回戦は不戦勝となった。結果は予選通過タイム上位6人までがベスト8に進出。あとの2名も9位、10位のタイムだったので、高校生の部に比べてこちらは順当と言うべきだったのかもしれない。そんな中で注目を浴びたのは、決勝レース2回戦で実現した師弟対決。師はMr.MCRと呼ばれる防衛大学の滝田先生、弟は滝田先生の研究室に所属する学生、武田道成さんだ。レースは決勝トーナメントにふさわしい、スピード感あふれる走行を見せ、0.29秒差で教え子の武田さんに軍配が上がった。マイコンカーのつくりは、一見する限りほとんど同じに思われたが、ディップスイッチの調整による微妙なスピードの差が勝敗の分かれ目になったらしい。
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