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熾烈な戦い |
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な、な、なんと0.01秒差!
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高校生の部決勝戦の余韻に浸る間もなく、続いて一般の部準々決勝が行われた。第1レースは丸木さんの「青嵐」と武田さんの「GPx−R1」の戦い。「GPx−R1」が残念ながらコースアウトしてしまい、丸木さんがベスト4へ進出。丸木さんは19秒台をたたき出した。圧巻だったのが、次の第2レース。三豊工業高校
大美先生の「SIVA Ver3」と西野田工業高校 前田先生の「GOD」の対決。レースはほぼ互角。両者とも好スピードを維持し、順調な走りでゴールに迫ってくる。「おーっ!」観客からどよめきの声がおこった。両車ほとんど同時にゴール。計測板に目をやると、な、な、なんとその差100分の1秒。昨年100分の2秒差での決着があったが、今大会ではさらにその上をいく熾烈な戦いがここに記録された。勝ち上がったのは大美先生。本当に惜しかった前田先生。
第3レースは三豊工業高校 瀬尾先生の吸引式を採用した新型車「WINNINGRUN」がベスト4へ。常連の竹村さん「マッハGO」は、残念ながらコースアウトしてしまった。第4レースは相生産業高校の先生とOBとの対決となった。清水先生の「百式」が関さんの「KS−R」より約1秒早くゴール、準決勝進出を手にした。
丸木さんのマイコンカー。コンパクトにまとまっている。 |
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白熱する戦いは準決勝へ。最初の対決は丸木さんと大美先生。次のレースに登場する瀬尾先生同様、丸木さんも吸引式を採用したマイコンカーで臨んでいる。ただ後で聞くと二人の方式は異なるものであるらしい。丸木さんの「青嵐」は、読んで字のごとく、まさに青い嵐のようだ。コース上をビュンビュン走りまくり、あっという間にゴール。タイムはとうとう19秒をきって18秒93、走るたびに早くなっていくようだ。見事決勝進出。大美先生も22秒20という素晴らしいタイムだったのだが、相手が悪かった。また来年に期待したい。もう一方のレースは、21秒台とこれまた熾烈な争いになったが、瀬尾先生の「WINNINGRUN」が0.70秒差で決勝進出を果たした。清水先生残念無念...。 |
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決勝戦の火蓋が切られる
優勝インタビューを受ける丸木さん
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さあいよいよ最後のレースとなった。このレースを最後に、ジャパンマイコンカーラリー2003大会は幕を閉じる。嵐のように爆走する「青嵐」が丸木さんに勝利をもたらすのか。それとも瀬尾先生の「WINNINGRUN」が、その名のとおり勝利のゴールを駆け抜けるのか。今回の決勝戦は2台とも吸引式を採用した新型車同士の戦いだ。大勢の観客が選手が、そして関係者一同が固唾を飲んで見守る中、レースは開始された。素晴らしい走りを見せる2台のマイコンカー、最後は「青嵐」がわずかに早くゴールを走り抜け、一般の部優勝の栄冠を手にした。タイムはベストタイム賞に輝く、18秒91だった。
全レースが終了した。出場選手たち全ての健闘をたたえるエールや拍手が、会場のいたるところから惜しみなく続いていた。 |
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■優勝
丸木 雅大さん
無所属 マシン名「青嵐」
「昨年も出場したが、たった3メートルでコースアウトしてしまったので、今回の優勝は本当にうれしい。吸引式のマイコンカーは、ホームページで見たF1の吸引カーがヒントになった。先のことは余り考えないタイプなので、来年の出場はもう少し近くなってから考えたい」との本人のコメントだが、吸引タイプのマイコンカーに改良を加え、是非次回も出場して連覇を狙って欲しい。
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■準優勝
瀬尾 文隆さん
香川県立三豊工業高校 教諭 マシン名「WINNINGRUN」
「吸引式を採用することで、多少なりとも早いタイムを出すことができたと思う。優勝者の吸引式とは形が違うし、彼が早すぎた。準優勝という結果には満足している。来年、再来年と簡単に勝てるとは思わないが、生徒とともにがんばっていきたい」との本人の弁。三豊工業高校は数年間、レベルの高いレース運びをしている。今後も、追われるものの立場としての健闘を是非期待したい。
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■第三位
清水 一豊さん
兵庫県立相生産業高校 教諭 マシン名「百式」
「順位は、ここまでこられるとは思っていなかったのでこれで十分。すごくうれしい!来年も是非チャレンジしたい! 中国地区大会で三豊工業高校の先生に負け、そのあとで先生方にいろいろと教えてもらった。それでここまでこられたと思っている」というかなり謙遜したコメントをもらった。インタビューを終えた先生の顔は、もう既に来年へ向けた挑戦がスタートしているように見えた。
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