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【大会レポート】 |
「酷暑」と呼ぶに相応しかった2007年夏。そのものすごく暑かった今年の夏を象徴するかのように、横須賀も最高気温35℃まであがった8月最後の、そして夏休み最後の日曜日、2007年8月26日。横須賀商工会議所において、今年度初の地区大会「ジャパンマイコンカーラリー2008 南関東地区大会一般の部」、そして同時に「第6回マイコンカーラリー横須賀大会」が開催された。大会は「オープン(高校生)の部」と、昨年から採用された「車庫入れ競技」、そして「ミニマイコンカー 競技会」が開催され、しかも今年は横須賀市制100周年記念ということで、関係スタッフも揃いのスカイブルーのポロシャツで奮闘し、大会は出場選手のみならず、各々の白熱した戦いで盛り上がりを見せた。
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南関東地区大会一般の部
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今回のコースは全長約58m。当日の本選では、前日の試走会から一部コースが変更になるなど、クランク4ヶ所、レーンチェンジ2ヶ所、大・小のS字が連続する、ほとんど直線のない、昨年の大会に比べさらに難しくなったコースにて行われた。
一般の部は2回走行し、良い方のタイムで順位が決定する。今年の参加台数は昨年の約2倍にあたる71台。1回目の走行では、完走29台、完走率41%、2回目の走行では、完走24台、完走率34%。記録として残った完走車は34台、完走率48%と、難コースであったにもかかわらず、昨年の32%に比べ、すこぶるよい結果であった。前日の試走をきっちりと行い、試行錯誤、調整した結果であっただろうか。
年々平均スピードが増してくる本大会だが、減速のタイミングを誤り、レーンチェンジ後や、果てしなく(?)と思わせるほど必要以上に続くS字でコースアウトする車も思いのほか多かった。特に毎年この大会や全国大会出場常連の河野さんや番土さんが、1回目の走行ではコースアウトしてしまうといったハプニングも、今回のコースがいかに難しく作られているかを象徴した出来事だったように思える。
レース結果は、1位が、今大会のベストタイム16.29秒を叩き出した福岡工業高等学校OBの徳永さん、2位は、1回目のコースアウトをものともせず、2回目の走行で16.65秒のタイムを出した日産自動車株式会社の河野さん。3位が湘南工科大学の黒川さんで16.86秒、4位は福岡工業高等学校教諭の井上さんで16.92秒。この上位4名が各地区大会の先頭を切って2008全国大会の出場切符を手にした。
全国大会出場枠に入るには16秒台を出さなければいけないという、一段と熾烈さを増した戦いの記憶を残して幕を閉じた。
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車検 |
スタート!
右は大会常連の最高齢・田村さん |
予選ベストタイム |
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オープン(高校生)の部
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スタート! |
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残念ながら脱輪 |
オープンの部は高校生が対象となり、毎年、各地区大会前の格好の腕試しの場としてレースが展開される。今年の参加台数は30台と昨年並。しかしながら前述した「一般の部」と同様、各人が試走による調整を続け、2回走行して完走車13台、完走率43%と、こちらも昨年の30%を大きく上回る好結果を生み出した。
レース結果は、1位が高校生ながら17.18秒のすばらしいタイムを叩き出した岐阜県立岐阜工業高等学校の所君、2位は19.60秒で群馬県立前橋工業高等学校の久保田君、3位が20.05秒で神奈川県立磯子工業高等学校の鈴木君だった。
12月の南関東地区大会まであと3ヶ月とちょっと。これからまだまだ強敵が現れるだろうが、快速・安定走行を目指したマイコンカー製作に切磋琢磨して欲しい。 |
車庫入れ競技 予選
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第6回マイコンカーラリー横須賀大会では、昨年から開催された「車庫入れ競技」が、今年も引き続き行われた。昨年の初開催時、スタートゲート(通過計測タイマ)をはさんで2ヶ所の車庫入れ区間を設けたことが災いし完走者が誰もいなかったため、今年はマイコンカーのコースにT字を付加したコースとし、競技を行った。予選は1台ずつのタイムレースで2回走行し、タイム上位者による決勝レースを行う。
今回この競技には5台のマイコンカーがエントリーした。予選通過1位は、株式会社三洋メディコムソフトウェアの藤坂さんが、前後両方にセンサーをつけたマイコンカーで、8.57秒というタイムで獲得。2位には同じ会社に勤務する山口さんが12.05秒のタイムで入った。そして3位だが、今大会最高齢の83歳、全国大会でも最高齢参加者としてその名を知られている田村さんが、車庫入れでの前進・後退をもろともせず、19.51秒のタイムで獲得、それぞれが決勝レースへと駒を進めた。
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ミニマイコンカー競技会
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横須賀市仕様のミニマイコンカー |
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コースレイアウト |
ミニマイコンカー競技会は、横須賀市内および近郊の小・中学生13名が参加して行われた。昨年同様、防衛大学校の学生スタッフが、マイコンカー製作からプログラミング、調整までをお手伝いし、ほのぼのとしたものづくり学習の中で進められた。8月18、19日の両日に製作講習会を行い、大会前にほぼ完成していたマイコンカーを当日の午前中で最終調整し、いざレースにのぞむ。
今年は横須賀市制100周年を記念してマイコンカーの車体を一新。防衛大学校の滝田教授らにより、灼熱の「赤」を背景に、シンボルキャラクター『スカリン』をあしらったニューデザインのミニマイコンカーが、コース上を華やかに飾った。ゲートをスタートし、最初のクランクを曲がることができるかどうか...。見事にクリアし、次にS字カーブ、もう1回クランク...と、最終的に完走しゴールした時には、多くの観客から割れんばかりの拍手が沸き起こっていた。
レースでは参加13台中8台が完走。横須賀市立城北小学校6年の川島弘貴くんが、33.33秒というすばらしいタイムで1位。2位には横須賀市立不入斗中学校1年の斉藤慶紀くんが37.27秒、3位には藤嶺学園藤沢中学校2年の安部悠紀くんが37.73秒で続いた。完走した子供たち8名全員に完走賞が、完走できなくても立派に頑張った子供たち5名にも努力賞が贈られた。今回参加した子供たちはものづくりの楽しさ、大切さを実感し、きっと将来、ジャパンマイコンカーラリーに出場してくれることだろう。 |
車庫入れ競技 決勝
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車庫入れ競技の決勝戦は、予選で完走した3台によって行われた。1台ずつ走行するタイムレースにて優勝者が決定する。決勝戦のコースは予選とはがらりと変わり、昨年に匹敵する難コースでの争いとなった。スタートゲート(通過計測タイマ)を発進するとまず予選と同じT字(車庫入れ)エリアがあり、これをうまくクリアできても、2つのクランクを抜けた後、ゴール直前に2つめのT字(車庫入れ)エリアが出現するのだ。
まず最初は予選を3位で通過した田村さん。今回も頑張りが期待されたが、1つめの車庫入れクリア!と思ったとたん、車は再度車庫入れエリアに曲がってしまい、結局コースアウト。残念ながら決勝戦では涙を呑んだ。続いては予選タイム2位の山口さん。難コースを何とかクリアし、見事18.18秒のタイムで完走した。最後は藤坂さん。スタートから安定した走り、そして目を見張る切れのよい車庫入れであっという間にゴール! 11.65秒という他を全く寄せつけないすばらしいタイムで、堂々たる優勝を果たした。彼は実は2007年度全国大会「一般の部」でなんと準優勝しているつわもの。今大会の「南関東地区大会一般の部」にはエントリーしなかったが、その理由を聞かれた彼はインタビューで、「今回ライバルたちのマイコンカーをじっくりと見せてもらいました。年末の北関東か南関東地区大会には出場する予定です」との余裕の発言をしていた。車庫入れ競技にてウォーミングアップなのだろうか、ジャパンマイコンカーラリー2008大会でもきっと大旋風を巻き起こしてくれるに違いない。
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決勝のコースレイアウト |
長い車庫入れ |
優勝した藤坂さん |
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横須賀大会決勝トーナメント
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一般の部とオープンの部の完走者を合わせ、その上位32名が決勝トーナメントに進出する。今年の決勝戦は、全国大会で採用されている走行方向を逆にしたコースで設計がとられ、しかもクランクがまた1ヶ所追加され、本当にこれでもかというほどの難しいコースにて争われた。見ている方にとってはかなり面白いのだが、出場者にとってはたまったものではなかっただろう。
今年は一般の部から24名、オープン(高校生)の部から8名が決勝トーナメントに進出、その中にはオープンの部出場者の紅一点、予選タイムを第31位で勝ち抜いた栃木県立宇都宮白楊高等学校の玉川さんの姿もあった。唯一の女性出場者に会場の観客からは割れんばかりの拍手が送られたが、残念ながら1回戦でコースアウトしてしまい、上位進出はならなかった。その他オープンの部から決勝に残った高校生たちにとって、今年は上位進出の壁は厚かったようだ。前出の玉川さんを含む6名が1回戦で姿を消し、2回戦では勝ち上がった所君と久保田君の高校生同士が対決するという不運も手伝ってまた1名敗退し、勝ち上がった久保田君も20秒の壁を突破することができず、準々決勝で涙を呑んだ。
ベスト4には「一般の部」予選タイムの上位4名が順調に勝ちあがった。準決勝1回戦は井上さんと徳永さんの対戦。実はこの2人、実際に同じ時期に学校にいたことはないとのことだが、生徒(OB)と先生という師弟対決であったのだ。レースは両者とも完走したが、0.47秒差で徳永さんが決勝に進出した。2回戦は河野さんと黒川さんの戦い。ここでも両者はすばらしい走りを見せたが、0.54秒速かった河野さんが接戦を制した。3位決定戦では井上さんが黒川さんを0.38秒差で下し、3位をもぎ取った。
決勝戦は、一般の部予選タイム1位の徳永さんと、予選タイム2位の河野さんの対戦。決勝レースのタイムは、徳永さんが16.62秒をマーク、河野さんも16.97秒と健闘したが、0.35秒及ばず、徳永さんが見事優勝を手にした。
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高校生で勝ち残った所くん |
決勝タイム |
上位者へのインタビュー
(滝田先生による技術解説) |
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表彰式、閉会式
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表彰式 |
最後に、表彰式、閉会式が行われ、オープン(高校生)の部上位8名、一般の部(全国大会出場認定)上位4名、車庫入れ競技上位1名、決勝トーナメント上位3名が表彰された。最後に(株)ルネサス テクノロジの大貫氏による講評が行われ、事務局の防衛大学校 滝田教授が閉会宣言をされ、今年初めてとなった地区大会が、暑い夏を惜しむように幕をおろした。 |
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オープンの部 入賞者 |
一般の部 入賞者 |
車庫入れとトーナメント入賞者 |
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