選手を待つ会場入口 |
今年も全国各地から先鋭たちが集う |
エンジニアを目指す高校生たちと、モノ作りに情熱を傾ける人々が、これまで学んだ知識と身に付けた技術の全てをつぎ込んで、世界でたった1台のオリジナルカーを製作。そのポテンシャルを、規定のコース上で競い合う『ジャパンマイコンカーラリー2008全国大会』が、去る1月13日(日)に北海道札幌国際情報高等学校で開催された。今年で13回目を数えるこの大会、今年も12に分かれたブロックごとに厳しい地区大会が行われてきた。これを勝ち抜いた先鋭中の先鋭が、それぞれの志を抱きながら競技誕生の地・北海道に結集。この冬一番の冷え込みとなった札幌で、吹き荒れる寒風をも吹き飛ばすような、熱い戦いが繰り広げられた。悪天候にみまわれた前回大会は、交通機関の混乱により14人の選手が会場入りすら叶わないというアクシデントにみまわれた。このため今大会の参加者や大会関係者らは、数日前から例年以上に天候に敏感になっていた。そんな懸念をよそに、ほとんどの選手が無事会場に到着。中には、入り口で思わず安堵の笑顔を見せる選手も見受けられた。 |
受付
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受付後の会場での混雑は緩和された |
選手たちは直ぐに控え室に入り準備を進める |
受付開始は、午前8時15分。今回はコース付近での混雑を避ける為、受付終了次第控え室も兼ねた体育館に移動する方式に変更された。これによって、選手たちはよりスムーズな入場が可能になった。また、その分早くマシン整備に着手できるとあって、参加者の表情もいつもより落ち着いているように思われた。コースは前日に行われた試走後、一晩かけて変更が加えられている。しかし、シートでその全貌は隠され、開会式終了まで明らかにされない。それでも、全国大会に進出してきたマシンともなれば、あらゆる変化やアクシデントを想定してプログラムされたものばかり。慌てず騒がず、工具やパソコンを巧みに操りながら、マシン自体の最終調整に専念する選手がほとんどであった。 |
開会式
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黒沼生徒会長が高らかに開会宣言 |
九州地区代表校から優勝旗の返還 |
若者らしい爽やかな選手宣誓 |
午前9時10分、2008年全国大会の開会式が執り行われた。式場は、選手たちが移動する手間と負担を軽減する目的で、今年から体育館に変更。また新たな試みとして、司会進行を北海道札幌国際情報高等学校の放送局に所属する生徒たちが担当した。彼らの努力によって、式は終始淀みない流れで進行した。同じく開会宣言も北海道札幌国際情報高等学校の生徒が行うこととなり、今回は生徒会長を務める情報技術科2年の黒沼猛之君が指名された。黒沼君は「これまで積み重ねてきた成果を120%発揮できるようにがんばりましょう!」と、会場校を代表して選手たちに熱いエールを送った。続いて、昨年団体優勝を果たした九州地区から熊本県立球磨工業高等学校の田上秀弥君が優勝旗を返還。その後、全国工業高等学校長協会理事長の能智功氏が「今回も大いな感動を与えてくれるものと期待しています」と、主催者挨拶に立った。また、来賓の中から文部科学省初等中等教育局参事官付教科調査官・池守滋氏が「競技を通して、多くの方々が日本を支えるモノ作り技術者となられることを期待しています」と挨拶。また、(株)ルネサス テクノロジ代表取締役社長&COO・塚本克博氏が「選手の皆様の飽くなき探究心に敬意を申し上げます」との言葉とともに激励の弁を述べた。そして、熊本県立御船高等学校・宮本正樹君が「長い時間をかけて苦労して作ったマイコンカーを駆使し、最後まで走り抜くことを誓います」と選手宣誓し、ここに大会の幕が切って落とされた。 |