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2005年大会大会レポート

決勝トーナメント【高校生の部・一般の部】
全国大会2日目・1月9日の午後からは、いよいよジャパンマイコンカーラリーの決勝トーナメントがスタートした。熾烈な予選を勝ち抜いた精鋭各32台が、高校生の部と一般の部で優勝をめざして戦いの火花を散らす。「決勝のコースには魔物が棲んでいる」と石村先生が名解説されたように、まず高校生の部では、予選タイムが対戦する車より上回っているにもかかわらず、不運なコースアウトに見舞われる車が続出。

その一方で幸運の女神に微笑まれたのは、香川県立坂出工業高等学校の杉野忠志くん。再走レースでも両車コースアウトとなり、予選タイムが上回った杉野くんは2回戦にコマを進めた。それからは予選タイム第1位(19秒18)の実力を発揮して、2回戦を19秒台の走りでベスト8進出を決めた。岡山県立東岡山工業高等学校の難波泰規くんも、同じく幸運なレース展開に恵まれたと言えよう。自分より速い対戦相手のマイコンカーが、1回戦・2回戦とも、ことごとくコースアウト。運も実力の内で24秒台の完走に徹して、あれよあれよという間にベスト8に進出。
しかしレースの醍醐味は、抜きつ抜かれつの接戦にある。決勝トーナメントともなると、20秒前半のスピード感あふれるレースが大いに会場を沸かせた。神奈川県立磯子工業高等学校、水野匠くんの「韋駄天磯工」(20秒67)と、富山県立志貴野高等学校、片山孝幸くんの「ed-IV」(23秒76)の接戦などが印象に残る。


一般の部でもっとも大きな番狂わせは、昨年の優勝者である勘原利幸さんの1回戦敗退であろう。チーム禅林所属となっているが勘原さんは、ジャパンマイコンカーラリー強豪校として知られる香川県立三豊工業高等学校の先生だ。予選タイム第1位(19秒12)の鮮やかなスタートダッシュを見せるも、まさかのコースアウト。対戦相手は、JICA研修員でスリランカから来たYoshani Thiruvi Iangamさん。同じくコースアウトを勘原さんは願ったかも知れないが、Yoshaniさんのマイコンカーは、スローペースだが1分28秒12で見事にゴール。「コングラチュレーション!」と声をかけると、「私のクルマより速いベストなクルマが勝つことを祈っています」と、おだやかな笑顔が返ってきた。
10年連続個人で参加いただいている御年81歳、田村眞さんの存在も忘れるわけにはいかない。「半導体のつなぎを逆にするバックドライブにしたら、安定感が増しました」・・・と、今なお工夫される向上心には敬服する。その工夫のおかげか田村さんのマイコンカー「フォトン」は、23〜24秒台の安定した走りで1回戦・2回戦と勝ち上がり、ベスト8へ進出。田村さんは背筋も伸びて動きかろやか、とてもお若い。どうか10年後も20年後も、マイコンカーラリーに参加していただきたい。

決勝トーナメント〜BEST8→準決勝【高校生の部】
ベスト8に勝ち残ったのは、常連の四国地区から3台。北信越地区から3台。中国地区からは1台、南関東地区からも1台と、四つ巴の激戦。ベスト4進出を賭けてまず対戦するのは、香川県立坂出工業高等学校の杉野くんの「SUGIマシーン」と富山県立大沢野工業高等学校の川瀬くんの「震電」。先行する杉野くんの「SUGIマシーン」を、川瀬くんの「震電」が追うスピーディーなレース展開に場内騒然。「SUGIマシーン」が19秒38で、22秒08の「震電」をからくも振り切った。岡山県立東岡山工業高等学校の難波くんの「マッキー」と香川県立三豊工業高等学校の西山くんの「B-Lord」の対決は、スピードでは圧倒しつつも「B-Lord」がコースアウト。難波くんは、1回戦・2回戦に続いてラッキーな勝利をおさめた。また1回戦・2回戦を、20秒台のスピードで突破した神奈川県立磯子工業高等学校の水野くんと、香川県立三豊工業高等学校の谷くんも順当に準決勝へ進んだ。


準決勝第1レースは、四国地区代表の杉野くん「SUGIマシーン」と、南関東地区代表の水野くん「韋駄天磯工」との激突。両車とも19〜20秒台の走りで、2回戦・3回戦と会場を沸かせてきた。当然ながらスピード対決が、予感されたが残念。「SUGIマシーン」がコースアウト。神奈川県立磯子工業高等学校の水野くんが、19秒85の好タイムで決勝進出を果たした。準決勝第2レースでは中国地区代表の難波くん「マッキー」と、四国地区代表の谷くん「マグナムセイバー」が相まみえた。対戦相手の自滅(コースアウト)によりここまで来た「マッキー」だが、「マグナムセイバー」に19秒56で完走されると勝ち目はない。「マッキー」は5秒近く遅れて24秒42でゴール。香川県立三豊工業高等学校の谷くんが決勝へ進んだ。
決勝に先立って行われた3位決定戦では、香川県立坂出工業高等学校の杉野くんの「SUGIマシーン」がまたもコースアウト。難波くんの「マッキー」は、ゆうゆうと24秒08でゴールして第3位に。最後までラッキーボーイの難波くんであった。

決勝トーナメント〜BEST8→準決勝【一般の部】

念願のベスト8へ進出した田村眞さん。
昨年も決勝トーナメントへ進出するも、2回戦で敗退した田村眞さん。半導体を独自に工夫した愛車「フォトン」で、今年は念願のベスト8へ進出した。3回戦では、TRC所属の中村雄一さん「SYNR-SWK」のスピードに阻まれて準決勝進出はかなわなかったが、来年もぜひ元気な笑顔を見せてほしい。第2レースではICHIRO(個人)所属の中尾伊知郎さんと、チームMの猪熊伸彦さんが激突。予選タイム2位(19秒29)の中尾さん「ICHIRO」と、7位(20秒77)の猪熊さん「熊九郎」は、実績通りのタイムで1回戦・2回戦を突破してきた。両車の追いつ追われつのスピードレースが見られるのでは?・・・と期待されたが「熊九郎」がコースアウト。中尾さん「ICHIRO」は、今大会のベストタイム(18秒86)を叩き出してゴールを走り抜けた。猪熊さんは、昨年大会の準優勝者だっただけに残念であった。第3レース第4レースは、対戦相手のコースアウトにより予選タイム4位(19秒66)の丸亀市民クラブ大美周平さん、予選タイム14位(22秒65)のTRC砂田聡さんが準決勝へ進んだ。

準決勝第1レースではTRC中村さん「SYNR-SWK」と、大美さんの「帆立、イクラ、旨い蟹」のスピード対決が実現。一瞬速く(19秒34)でゴールを抜けて、大美さんが決勝へ進んだ。
準決勝第2レースでは中尾さんの「ICHIRO」が、今大会のベストタイムを記録した前レースの余勢をかって19秒02でゴール。砂田さん「GB-SWK」の挑戦を退けて、決勝進出を果たした。その決勝に先立って行われた3位決定戦は、TRC所属同士の対戦となった。結果は中村さんの「SYNR-SWK」が、砂田さんの「GB-SWK」にピタリ3秒の差をつけて20秒80でゴール。全国一般の部、3位となった。
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