さすがの走りを見せた勘原選手 |
選手同士はすっかり顔馴染み |
慎重にマシンをセット |
最年長の田村さんはデザイン賞を獲得 |
午前11時30分、一般の部・予選がスタート。控えブースで出番を待つ選手たちの中には、大会の常連とも言える実力者たちの顔がそこかしこに見られる。その先陣を切ってA組3走に登場したのは、2004年大会準優勝の猪熊伸彦選手。ところが、マシンは何でもないカーブで突然停止。再走するも直ぐにコースアウトしてしまい、大会の波乱を予感させた。しかしその直後、B組4走の内海裕憲選手が18.03秒をマークして3位通過。「さすがに一般の部は早い」と会場を唸らせた。続いて、2004年大会優勝の勘原利幸選手がA組7走で18.35秒を出して6位に食い込む。さらに、A組9走の貞方敦雄選手が18.86秒、11走の杉谷光太郎選手が18.79秒、12走の瀬尾文隆選手が18.94秒を出すなど、好タイムが続出。実に、予選13位までの選手が19秒を切るというハイレベルな争いとなった。そして、会場が賞賛の声で包まれる瞬間が訪れた。A組17走に登場したディフェンディング・チャンピオン中村彰男選手のマシンが、抜群の安定感と俊敏なパフォーマンスを見せながら、まさにあっと言う間にゴールゲートを駆け抜けたのである。そのタイムは、何と17.83秒。昨年の王者が、今大会で初めて17秒台に突入した。そしてこの時点では、誰もが「予選1位は最早決まった」と見ていた。そんなムードを一掃してみせたのが、A組24走の三輪秀幸選手。東海地区大会を征した実力を如何なく発揮し、スタートから鋭いダッシュで素早くトップスピードに乗り、まるで飛ぶような走りでゴール。驚異の17.58秒を打ち立てたのである。さて、勝敗をよそに競技自体を楽しむ選手が参加しているのも、一般の部ならでは。今回も、大会の“顔”とも言える選手が元気な姿を見せてくれた。第2回大会から出場し続けている防衛大学校の滝田教授は、極限まで無駄を省いたスリムな車体で参加。完走こそならなかったものの、その理論と技術は常に注目を集めている。また、お馴染み最年長の田村眞さんは、今年も「フォトン号」で参戦。田村さんも完走はならなかったが、木製の部品を用いるという発想が評価され、見事にデザイン賞を獲得した。 |