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2008年大会大会レポート 7/9

ベスト8〜ファイナル・高校生の部

修理を終え急ぐ伴君。しかし無情にもタイムアウト

閑井君は幸運の連続でファイナリストに

勝利を決め小さくガッツポーズの池田君
ベスト8から、レースはAコースのみを使用。まず、高校生の部からスタートする。ここまで勝ち上がってきたのは、昨年の王者を擁する富山県立大沢野工業高等学校から2選手、予選で旋風を巻き起こした岐阜県立岐阜工業高等学校から2選手、数々の輝かしい実績を持つ香川県立三豊工業高等学校から2選手、連続団体優勝を狙う九州地区の熊本県立御船高等学校から1選手、過去に入賞者を輩出したこともある兵庫県立相生産業高等学校から1選手。まさに、伝統校同士による戦いの様相を呈した。まず、第1走は実力No.1と目されている布村君と、九州勢最後の砦となった熊本県立御船高等学校の今井幸広君の対戦。2回戦でアクシデントに見舞われた布村君が、いかに立て直してくるかに注目が集まった。スタートから、レースは布村君がリード。しかし、半ばで懸念された事態が発生する。布村君のマシンが、2回戦と同じような場所で無念のコースアウト。これを尻目に、19.48秒で走破した今井君が、大方の予想を覆す勝利を収めた。布村君は「最初のコースアウトで故障してしまったようです。それを立て直せなかったのが残念です」と、サバサバとした表情で語っていた。続く2走は、予選4位の池田君と、同じく5位の伴君が登場。実力が拮抗した者同士の対戦は、思わぬ形で決することに。両者ともコースアウトした後、伴君のマシンからタイヤが取れるアクシデントが発生。規定により3分間のメンテナンスタイムが与えられた。しかし、修理から戻った伴君に告げられたのは、タイムアウトの判定。記録上は、池田君の不戦勝となった。3走は予選2位の所君と、18秒台を連発してきた合田君の対戦。所君はまたもコースアウトし、合田君はこの日4回目の18秒台でゴール。決勝トーナメントでは1度も完走できないまま、所君の戦いはここで終わった。4走の対戦は、実力者の神通君と、予選30位から勝ち上がってきた兵庫県立相生産業高等学校1年生の閑井健人君。結果は、神通君がコースアウトした後、閑井君が20.89秒でゴールし、ベスト4最後の椅子を奪取した。続けて、準決勝第1レースがスタート。18.67秒を出した池田君が、19.54秒の今井君を退けた。第2レースは、香川県立三豊工業高等学校のチームメート同士の決勝戦をもくろむ合田君が、惜しくもコースアウト。またしても幸運に恵まれた閑井君が21.41秒でゴールし、ついにファイナリストにまで登りつめた。決勝に先立って行われた3位決定戦は、予選タイムで上回った合田君が18.80秒で順当勝ちを収めた。さて、いよいよ高校生の部決勝である。王座奪還を目標に、1年間努力を積み重ねてきた池田君からは、この一戦にかける気迫がにじみ出ている。一方、無欲の勝利でここまで来た閑井君は、この大舞台に立っていることがまだ信じられない様子である。早々にセットを終える閑井君に対して、池田君はゆっくりと慎重にセットする。会場が一瞬の静寂に包まれる中、スタートを告げるデジタル音が響く。レースは池田君が攻めの走りで終始リード。18.54秒でゴールゲートに飛び込み、見事に頂点へと昇りつめた。そして再び、香川県立三豊工業高等学校の名を『ジャパンマイコンカーラリー』の歴史に刻んだのである。

【高校生の部 優勝】
池田 竜選手
(香川県立三豊工業高等学校)
カーネーム「Line Spear」


早いタイムを出すライバルたちがたくさんいましたが、今日はコースアウトしてしまった時も、どういうわけか負ける気がしませんでした。その通りに優勝することができて、自分でもちょっと不思議な気分です。チームとしては、昨年の大会で良い結果を残せなかったので、何としても勝とうという思いで臨みました。諸先輩を含め、チーム全員で勝ち取った勝利だと思います。後輩が3位に入ってくれたので、来年もきっと良い結果が残せると信じています。

【準優勝】

閑井 健人選手
(兵庫県立相生産業高等学校)
カーネーム「非常食」
【第3位】

合田 直樹選手
(香川県立三豊工業高等学校)
カーネーム「Wリンク」

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