本大会屈指の好カード、大林選手VS岩倉選手 |
決勝を前に、あわただしくメンテナンスをする亀井選手(右) |
さあいよいよ決勝! |
高校生の部ベスト8は、四国地区が3校、九州地区3校、北関東地区と北信越地区がそれぞれ1校という布陣である。第1レースは、大林選手が富山県立砺波高等学校
河合峻吾選手を18秒98で一蹴し、第2レースは岩倉選手が予選4位の九州産業大学付属九州産業高等学校 寺田大祐選手を19秒16で退けた。第3レースは亀井選手が、熊本県立御船高等学校
金澤明選手に19秒29で競り勝ち、第4レースは予選14位から勝ち進んできた熊本県立御船高等学校 上野潤選手が、栃木県立宇都宮工業高等学校
鵜沼晋作選手の脱輪により勝ち上がった。準決勝第1レースは、大林選手VS岩倉選手という、本大会屈指の好カードである。会場の選手や応援団も盛り上がり、香川県のライバル校同士による代理戦争の様相を呈してきた。大方の予想は、予選からここまで18秒台を2回出してきた大林選手有利といったところ。両者は、スタートから今まで以上のスピードで今回のコースの難所を次々とクリア、「これはどっちも速い」という感想も言い終わる間もなく、両者が勢い良くゴールゲートを駆け抜ける。その注目のタイムは、大林選手18秒84に対し、岩倉選手は何と18秒67。今大会の最速タイムを、この大一番で叩き出した。一瞬、「やられた」とばかりに天をあおぐ大林選手を尻目に、ここまではポーカーフェイスだった岩倉選手は思わず派手なガッツポーズ。一方、第2レースは、亀井選手が19秒20で順当勝ちを納めた。決勝に先立って行われた3位決定戦は、大林選手が18秒76で貫禄の圧勝。こうして、頂点を決するレースの舞台に立ったのは、またもや香川県のライバル校同士である。地区予選決勝で、今回の対戦相手のチームメイト・三豊工業の合田選手にコンマ01秒差で負けた亀井選手は、「今度こそは」と気合十分。準決勝で会心のレースをした岩倉選手は、恐いもの知らずの2年生。勢いには、一日の長があるように見受けられる。そして、いよいよ決勝レースがスタート。しかし、最適のセッティングを見出した岩倉選手のマシンに、最早太刀打ちできる相手はいなかった。亀井選手19秒16に対し、18秒77のタイムで文句なしの勝利。レース後は「勝てたのは、先輩たちの協力のおかげです」と、王者とは思えない小さな声でポツリと感想を述べる岩倉選手。しかし、チームメイトの手荒い祝福を受けるや、少年らしい爽やかな笑顔が戻っていた。 |