さあ、日頃の成果を試す時だ! |
スタート準備OK |
午前9時40分、いよいよ待ちに待った競技の開始である。まずは、高校生の部からスタート。初の完走は、Bグループ1組目に登場した、北海道稚内商工高等学校の三浦遼平選手だ。対戦相手が、トップスピードを維持できずにコースアウトした後で、三浦選手の愛車は着実に難所をクリア。ゴールの瞬間、会場から大きな拍手が沸き上がった。タイムは51.38秒という安全運転であったが、完走しなければ公式記録も残らないということを証明するような走りだった。その後、遠路はるばるやってきた沖縄県立美来工科高等学校の岸本翔選手が、24.07秒で走破。予選31位につけ、見事に決勝トーナメントへの進出を果たした。一方上位は、20秒台を切る争いとなった。Aグループ6組目の和歌山県立紀北工業高等学校の佐田竜太選手が19.86秒を出せば、Bグループ6組目の熊本県立御船高等学校の河上哲也選手も19.88秒を計測。一挙に、高速レースの様相を呈してきた。続くAグループ7組目の熊本県立球磨工業高等学校の指方堅吾選手が、18.12秒の好記録を出して観客席を沸かせるや、Bグループ7組目に走ったチームメートの川邊康貴選手が18.32秒を打ち出した。
沖縄県からただひとり参加した岸本選手(左)のスタート |
今回は終始、九州旋風が吹き荒れた。写真は、川邊選手(左) |
ゼッケン77番の森川選手は機関車のようなマシンでデザイン賞を獲得。ちなみにその愛車は、なぜか後ろ向きでゴール |
この後も九州勢は高いレベルで安定した力を発揮し、九州旋風を巻き起こすことになる。しかし、Bグループ12組目に登場した富山県立大沢野工業高等学校の布村真佐喜選手が18.07秒をレコード。予選前半の最速タイムを打ち立てた。続く予選後半は、常勝軍団・香川県立三豊工業高等学校の中でも、エース格の2選手のマシンが満を持して登場してくるとあって、その走りが注目された。しかし、まず観客が目を見張ることになったのは、富山県立大沢野工業高等学校が送り出した2人の1年生である。Dグループ4組目の岡崎拓馬選手が18.05秒を出し、先輩の布村選手を押しのけてトップを奪えば、Cグループ7組目の神通研太選手のマシンが俊敏なパフォーマンス見せて、17.87秒とこの日初めて17秒台を記録した。一方、三豊工業高等学校のエースのひとり豊浦広行選手は、18.75秒で予選7位にとどまる。だが「今年の大沢野は速い」との周囲の声を黙らせたのは、やはり三豊工業高等学校だった。Dグループ13組の森川卓哉選手が、見る者が息を飲むような速さで、17.78秒という驚異的なタイムをたたき出した。そして期待通り、予選をトップ通過して見せたのである。 |