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2007年大会大会レポート 6/8

ベスト8〜ファイナル・高校生の部
今大会の高校生の部ベスト8は、九州地区から4校5選手。その他は、近畿、南関東、北信越からそれぞれ1校1選手ずつという布陣である。団体戦3連覇がかかっていた四国地区からは、結局のところ1校も残れなかった。準々決勝第1レースは、熊本県立球磨工業高等学校の黒木総一郎選手が安定したレース運びで勝ち上がり、第2レースは富山県立大沢野工業高等学校の布村真佐喜選手が、対戦相手を一蹴。第3レースは熊本県立御船高等学校の河上哲也選手が、続く第4レースは九州産業大学付属九州産業高等学校の香月洋輔選手が、ともに九州地区同士のレースを制した。準決勝には、九州勢3校3選手と富山県立大沢野工業高等学校が進出。最終的には、今大会の台風の目となったチームが勢いにのって勝ち残ってきたわけである。そして、第1レースは布村選手が18.67秒でゴール。対戦相手の黒木選手のマシンは、立体交差上に設置した落下防止用のガードにぶつかり、18.93秒を計測したものの、無念のコースアウトとなった。続く第2レースは、香月選手が同じ地区のライバル校の河上選手がコースアウトするのを横目に、20.05秒というせーフィティーなタイムでゴールゲートを駆け抜けた。続いて、河上選手と黒木選手による、熊本県同士の3位決定戦が行われた。ここでは、黒木選手がまたもや準決勝と同じようなポイントでコースアウト。思わず顔をしかめ、悔しさをあらわにする。一方、準決勝のコースアウトでマシンを一部破損してしまった河上選手だったが、無理できない状況に追い込まれたことがかえって幸いし、20.20秒のタイムで総合3位に輝いた。そして、いよいよ高校生の部・決勝――。予選から18秒台を連発してきた布村選手に対し、堅実なレースを展開してきた香月選手。どちらも頂点に立てば、個人としてはもちろん、チームとしても初の全国制覇となる。誰もが固唾を飲んで見守ったスタートの時、会場に流されていたBGMも中断され、コース上には一瞬の静寂が訪れる。2選手とも、スタートセット完了の合図に軽く右手を上げる。ポーンという電子音と同時にゲートが開かれ、2台のマシンが弾け飛ぶようにコースを駆け巡る。しかし、徐々に布村選手のマシンが差を広げ出し、香月選手の追撃をさらに突き放してゴール。18.15秒と、この日5度目の18秒台を出し、文句なしの栄冠を手にした。優勝決定の瞬間、派手にガッツポーズを取ることもなく、はにかんだように微笑む布村選手。少年の面影が残る、ほのぼのとしたチャンピオンの誕生である。

熊本県勢同士の3位決定戦を制したのは、河上選手(左)

速さと安定感を兼ね備えたマシンで勝ち進んだ布村選手

健闘を称えあう決勝戦で競いあった二人

【優勝】
布村 真佐喜選手
(富山県立大沢野工業高等学校)
カーネーム「麒麟児」


昨年の全国大会では、予選を通過することもできなかったので、今年はまず予選をしっかりと通過するということを目標にしてきました。それで、最終的には『ベスト8に残れたら最高だなあ』と考えていたんです。だから、優勝は全く意識していませんでした。でも、勝てて本当に嬉しいです。決勝トーナメントの1回戦で、後輩たちが残念な結果に終わってしまって、少しプレッシャーを感じました。でも、無理せずにタイムを徐々に上げて行ったのが結果的に良かったんだと思います。来年は、この経験を皆に伝えながら、もっと強いチームを作っていきたいと思います。

【準優勝】

香月 洋輔選手
(九州産業大学付属九州産業高等学校)
カーネーム「九産2号」
【第3位】

河上 哲也選手
(熊本県立御船高等学校)
カーネーム「オジー」

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