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2007年大会大会レポート 1/8


マイコンカーラリーの聖地・北海道札幌国際情報高等学校

吹き荒れる強風もなんのその
モノ作りに情熱を傾ける高校生たちと、先端テクノロジーに携わる技術者たちの夢、『ジャパンマイコンカーラリー2007全国大会』が、去る2007年1月8日(祝)に競技発祥の地・北海道で華々しく開催された。ここに至るまで、全国を12に分けた地区毎に、厳しい予選が行われてきた。これを勝ち抜いた、高校生の部74校120台、一般の部123台(一般の部は全国大会への直接エントリーを含む台数)が北の大地に集結。その中には、遠路はるばる沖縄県から駆けつけた選手の、晴れやかな笑顔も見受けられた。第12回を迎えた今回も、会場はマイコンカーラリーの聖地・北海道札幌国際情報高等学校。参加者はそれぞれ、この日のために積み重ねてきた努力の成果を存分に発揮しようと、低気圧の影響で早朝から烈しく吹き荒れた突風にもひるむことなく、次々と会場入りしていく。残念ながら、高校生の部4名、一般の部では10数名が、交通機関の乱れから参加を断念せざるを得なかった。しかし、さらに悪化が懸念された天候も、開催を待ちわびていたかのように徐々に回復していった。かくして、公式ポスターに刻まれた「めざせ! 白い大地を」のキャッチフレーズ通り、今年も白銀の世界となった北海道で、2007年大会のスタートゲートが開いた。

受付

慌ただしく進む受け付け作業

控え室でもくもくと調整する選手たち
午前8時30分に、正面玄関エントランスホールで受付が始まった。しかし、その1時間以上も前から、ほとんどの選手たちがすでに会場に到着していた。と言うのも、大会前日行われた試走は北海道地区大会のコースレイアウト。実際の全国大会予選コースレイアウトは、一晩のうちにさらに難易度が高く設定・変更されているからだ。チーム事情によって、この変更が想定されていた範囲のものか、あるいは予想以上のものであったかは異なるが、いずれにしても入念なチェックと、早めの対策が必要なことに変わりはない。選手たちは、めいめいに下見を終えると、足早に控え室に入り、持参したパソコンでプログラムに手を加え、使い慣れた工具類を片手に車体の点検と整備に没頭していた。受付時間の終了間際までマシンと向き合い続ける選手も少なからず見受けられ、本人よりも周囲や大会関係者がヤキモキするような場面があったようだ。それは、つい周りが見えなくなってしまうほどこの日に懸ける思いが強いということを、象徴するシーンでもあった。こうしてピンと張り詰めた空気の中で、戦いは静かに始まっていったのである。

開会式

ジャパンマイコンカーラリー2007全国大会の開会宣言

昨年団体優勝の四国地区から優勝旗が返還された

声高らかに選手宣誓
2007年全国大会の開会式は、午前9時に執り行われた。式の開始に合わせるように、それまで厚い雲に覆われていた空も幾分明るさを取り戻していた。列席した選手たちは、レースを前にして眼差しも真剣そのもの。高まる緊張感の中、ジャパンマイコンカーラリー実行委員会の石村光政氏が、「アジアの国々に負けないように、がんばってください」と激励の言葉を添えながら、開催を高らかに宣言。昨年は、マイコンカーを使ったレースがアジアのいくつかの国々で行われた。石村氏自身も、ある国で講習会の壇上に立ち、参加者たちの熱意を肌で感じた様子。今後は、日本のトップ選手たちに先駆者として責任が求められる日が近いのかもしれない。さて次に、一昨年・昨年と団体連覇を果たした四国地区を代表して、香川県立三豊工業高等学校の豊浦広行選手が優勝旗を返還。全国工業高等学校長協会理事長・能智功氏による主催者挨拶の後、多忙なスケジュールを縫って列席した来賓各位から、文部科学省初等中等教育局・嶋貫和男参事官が挨拶に立ち「若者のモノ作り離れが著しいという世評を吹き飛ばしてほしい」とエールを送った。同じく、来賓の(株)ルネサス テクノロジ・船田饒取締役営業本部長は「今年は新たなルールが加わりました。より高度な技術を見せていただけることと思います」と、選手たちへ期待の言葉をかけていた。審判長によるルール説明の後、選手宣誓に指名された香川県立三豊工業高等学校の森川卓哉選手が壇上に立ち、「日頃磨きをかけてきた技術をいかんなく発揮することを誓います」と宣言。シンプルな言葉の中にも、全ての選手共通の思いが凝縮されていた。

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