20回目となったメカトロニクスの甲子園「ジャパンマイコンカーラリー2015全国大会」の幕開け
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2階、3階から、たくさんの方々が応援してくださいました
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第1回〜第19回の大会写真を展示しました
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全国の高校生たちが技術とアイディアを駆使して自走するマシンを製作し、その知識と成果、スピードを競う「ジャパンマイコンカーラリー2015全国大会」が、去る2015年1月10日(試走、開会式)、11日(競技、表彰、閉会式)に開催された。 会場は昨年と同じく新さっぽろアークシティサンピアザ 光の広場で、マイコンカーになじみのない一般客にもマイコンカーを間近で見て、全国から集まった代表の高校生たちがいかに素晴らしい技術やセンスを持っているかを知っていただくことができた。「これ去年もやっていましたよね?」と何人かに声をかけていただき、マイコンカーが広まっている、ということを実感することもできた。
なお今回は記念すべき第20回大会、そしてこの北海道での開催が最後となる節目の年でもあり、選手も運営スタッフもこの大会に賭ける想いはとても計り知れなかった。1996年の第1回大会、1997年の第2回大会は北海道大会として開催されたが、1998年から全国各地の高校が参加し全国大会に発展した。2009年の第14回大会までは大人の一般大会とJMCR全国大会を同時開催し、中学生の部も一時期行われていた。第1回大会から第18回大会は、北海道札幌国際情報高等学校で行われ、2008年の第13回大会までは、北海道地区大会が全国大会の前日に開催されていた。2009年の第14回大会までは前夜祭として、「全国選手交流会」が行われ、大会ではライバルでもその場では地域を超えて選手達に友情が芽生え、心温まる場面がたくさん見られた。札幌国際情報高等学校のお琴の会の演奏や競技終了後のエキシビションでの吹奏楽部の演奏など随所で大会を盛り上げてくれたこと、選手とスタッフの昼食を札幌国際情報高等学校のPTAの皆さんがお世話をしてくださったことなど、本当に思い出が尽きない。これまでの栄光としては、四国地区・香川県三豊工業高等学校が全国大会4連覇を果たしている。この記録はまだ破られていない。これらの大会の歴史の写真や初期のマイコンカーの展示を会場で行い好評をいただいた。
2014年10月26日開催の東海地区大会を皮切りに開催された全国12地区の地区大会を突破し、北は北海道、南は沖縄から集まった全73校、112台の激闘のレポートをお届けする。
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〜2015年1月10日(土)〜
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受付
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送迎バスから降りた選手たち
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受付で、ビブスや資料などを受け取る
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控室でネジのゆるみや断線がないかなど、入念な点検を行う
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ここ北の大地は2日ほど前に天候が大荒れになり、交通機関が麻痺していたものの、選手達の到着に合わせて風雪は安定し一行を歓迎してくれているかのようだった。この日は雪がちらつく程度で、天気に恵まれた。
1日目は試走と開会式が行われる。新さっぽろアークシティホテルへ続々と送迎バスが到着し、選手たちが選手控室へと入っていく。愛車の入った大きいケースを抱え、その表情からは期待と不安が半々ずつ見える。控室は地区ブロックごとに分けられていて、中央には小さなコースが敷かれ試走前にもここで調整が可能である。席に着くと、はやる気持ちを抑えながら仮車検前のマシンの調整に没頭していた。
翌日は選手以外は立ち入り禁止となるが、この時は引率の先生方や付添い生徒が選手を囲み熱くアドバイスをしていて、控室は真冬の北海道とは思えないほど既に白熱していた。
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仮車検
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手前と左奥の2箇所で仮車検を実施、車検をパスしないと試走ができない
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控室から会場へは、数名ずつに分かれて移動した
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選手控室の前のロビーにて、試走に向けた仮車検が行われた。これをクリアしないことには会場で走らせることもできない。検査係の先生方と札幌琴似工業の生徒たちがボランティアで検査を行ってくれた。
選手はグループごとに招集され、一台一台、JMCR規定のマイコンボードやモータが使用されているか、マシン幅や高さ、電池の本数やタイヤ、センサ、ギヤボックス、サーボ、そしてケースなど細かくチェックしてもらい、無事に合格するとマシンにシールを貼ってもらえる。
これ以降に規定外の調整を行うとそこで即失格となってしまうので、緊張は継続する。とりあえずほっとしたのも束の間、愛車をケースに戻し、椅子に座り整列して会場への出発時間を待つ。
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コースレイアウト
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予選とBasic Class決勝トーナメントのコースレイアウト、進行方向は反時計回り。Advanced Classの決勝トーナメントは逆走になり、一部レイアウトが変更される。
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今回は全長60.06m(中心たどり)のコースとなった。例年通りイン(赤)側とアウト(青)側に分かれ、それぞれのスタートバーが開くと同時に、2台のマイコンカーがスタートする。コースレイアウトは、当日会場に来て初めて分かるので、選手はどのような場面でも対応できるプログラミングが必要である。
今年のコースレイアウトは、アウト(青)側からスタートするとすぐに左レーンチェンジがあり、スピードが乗りきらないうちにハーフラインを検出するため、ここでの脱輪が多かった。上り坂の後はS字のカーブがあり、上った後にセンサ(ステアリング)がばたついているとタイムロスになる。下り後は、通称タコツボカーブと左右に小刻みに振るS字カーブがあり、特性の違う両カーブを如何にスピードを落とさずに走行させるかがポイントとなる。イン(赤)側からスタート後は、2つのクランク(2個目は立体交差の下)と右レーンチェンジが連続し、難易度の高い課題を如何に脱輪せずに走行させるかがポイントとなる。
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アウト(青)側スタート直後、スピードが乗りきらないうちにハーフライン、左レーンチェンジがあったため、脱輪が続出した
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上り坂の後はS字のカーブがあり、上った後にセンサがばたついているとタイムロスになる
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イン(赤)側スタート後の2つのクランク(2個目は立体交差の下)と右レーンチェンジの連続
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