開会式
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前回優勝の九州地区から優勝旗の返還
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三輪君が力強く選手宣誓
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開会式挨拶
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午前9時。選手、関係者、来賓が列席する中、「ジャパンマイコンカーラリー2010全国大会」の開会式が始まった。司会・進行役は、もうすっかりおなじみとなった北海道札幌国際情報高等学校・放送局の皆さん。今年も、わかりやすいアナウンスとスムーズな進行で、緊張感が高まる式場にさわやかな風を吹かせてくれた。そして、同校生徒会長・吉田匡克君が壇上に立ち「選手の皆さん。ベストを尽くして頑張ってください」と、歯切れのよい言葉とともに2010年全国大会の開会を宣言。ここに、レースの幕が切って落とされたのである。前回団体地区優勝を果たした九州地区を代表して、熊本県立球磨工業高等学校・土屋大樹君の手から優勝旗が返還された後、全国工業高等学校長協会理事長でジャパンマイコンカーラリー大会長・佐藤義雄氏が「この大会でさらに技術を高め、同時に全国から集まった選手たちとの交流を深めてください」と主催者挨拶。また、来賓の中から文部科学省初等中等教育局 児童生徒課 産業教育振興室 教科調査官・池守滋氏が「この大会を通じてアイデアとお互いの技術を切磋琢磨し、後に社会で活躍されることを期待します」と、将来のマイコン技術やメカトロニクス技術の担い手たちにエールを贈った。同じく来賓から、株式会社ルネサス テクノロジ 代表取締役 取締役会長・塚本克博氏が「将来、ワールドマイコンカーラリーへと発展するよう願っています」という言葉とともに、今後も大会の発展に尽力する決意を新たにしていた。続いて、伊藤良平審判長からルール説明が行われた後、九州地区大会を制した熊本県立球磨工業高等学校・三輪大樹君が指名を受けて、「精根尽くして製作したマイコンカーで大会にのぞみ、正々堂々と戦うことを誓います」と、参加全選手共通の思いを代弁する選手宣誓を行った。
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コースレイアウト
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全国大会にしかない "谷"部分 |
今大会の特徴は、小刻みに左右に振られる連続カーブのセクションと、立体交差下り直後に出現するクランクである。タイプの異なるスピード制御と車体安定性ならびに旋回能力が求められるだけに、あらゆる場面を想定したプログラミングがなされているか否かの真価が問われるわけだ。特にBasic Classの部においては、クランクが多くの選手を悩ませることとなった。また、今やあって当たり前の感もあるレーンチェンジが、今回のレイアウトでも2か所設定。実際のレースでは勝負の分かれ目となるケースが多々あり、その難易度は決して下がっていない。なお、距離は63.81m(中心たどり)で、例年同様にイン側、アウト側から2台同時にスタートする。
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今大会もクランクとレーンチェンジが勝負の分かれ目のコースレイアウト
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車検
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誰もが緊張する車検
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厳格かつ公正に進行していく
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開会式終了後ただちに行われたのは、Basic Classの部の車検である。10度以内の上りと下りによる簡易コース上を選手自らの手でマシンをゆっくりと押し、規定以外の部分がコースと接していないかを検査員がつぶさにチェック。その後、CPUボード、モータ、電池などについては承認されたものが使用されているか否かを確認し、専用の用紙を使ったタイヤの粘着性検査を通過すれば車検合格のシールが交付される。これ以後、レース前に規定外の調整を加えたものはその場で失格となる。ゆえに、場合によってはレース以上に神経質にならざるを得ない。地区大会でも厳しい車検を経験している選手たちだが、その厳格さを知っているがこそ、一様に表情は不安げである。もちろん、Advanced Classの部の車検も同様に行われ、レース前にはすべての参加者が等しく車検を受けた。なお、今大会も北海道札幌国際情報高等学校の生徒さんが検査員を務め、厳しくも公正な車検の実施に大いに貢献してくれた。
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