いよいよ決勝トーナメントスタート
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注目の決勝戦
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優勝の栄冠は松浪君(左)へ。渡邊君(右)は大満足のガッツポーズ
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午後2時10分。Basic Classの部の決勝トーナメントに進出した16台が、コース前に集合した。ここからは、より速くゴールゲートを駆け抜けた方が勝ち上がる。例年通り、対戦相手との駆け引きが重要な要素となってくる。早速、Aコース1組目に予選トップの岡山県立玉野光南高等学校・松浪潤一君が、Bコース1組目に同2位の福井工業大学付属福井高等学校・渡邊幸之介君が登場。松浪君が29.30秒で走り切り、一方の渡邊君は29.42秒を出して肉薄した。上位組が順当に勝ち進む中、予選5位の兵庫県立小野工業高等学校・村上大河君がコースアウト。対戦相手もコースアウトしたため、辛くも予選タイムの差で勝ち上がるも、その後のレースに不安を残した。唯一の下剋上は、Aコース2組で予選9位の香川県立高松工芸高等学校・八木貴之君が、予選8位の福岡県立小倉工業高等学校・岡雅人君を退けたレース。その他の対戦はいずれも、予選上位組が順当に勝ち残り名実とも実力者同士の戦いとなっていく。まずは、ここまでトップタイムを誰にも譲り渡していない岡山県立玉野光南高等学校・松浪潤一君がベスト8初戦に挑み、Basic Classの部ではこの日初の28秒台となった28.97秒を打ち出した。松浪君のマシンは、いよいよ本気モードに突入してきた様子である。その他は、すべて持ちタイム上位者が勝ち残り、予選1位から4位までによる準決勝へと舞台が移っていく。絶好調の松浪君と、愛媛県立松山工業高等学校・柳田亮君の対戦は、松浪君が28.93秒とさらにタイムを縮めたのに対し、前走をコースアウト(対戦相手のコースアウトによりタイム差で勝ち残り)した柳田君のマシンが大きく後れを取り、ここで力尽きた。福井工業大学付属福井高等学校・渡邊幸之介君と兵庫県立姫路工業高等学校・藤原洸太君の対戦は、藤原君のマシンが無念のコースアウト。かくして、決勝戦は予選成績通りの対戦となった。先に行われた3位決定戦は、準決勝とは見違える走りを披露した柳田君が30.58秒で勝利。力強いガッツポーズも飛び出し「初めての全国大会で良い成績が残せて満足です」と笑顔で語っていた。その余韻が冷めぬまま、Basic Classの部のナンバー1を決する舞台が整った。「ここまで来たら優勝したいです」と力を込める松浪君に対し、「思い切り走ります」と静かに語る渡邊君。スタートバーが開くや、マイコンカーの行く先を点検するように指さし確認する松浪君。一方の渡邊君は、自分のマシンの走りに集中している。そして、いち速くゴールしたのはやはり、松浪君のマシンだった。計測されたタイムは28.94秒。「1年間の努力が報われて、とてもうれしいです」と笑顔が弾けた。渡邊君も29.29秒と自己ベストを更新する大健闘。「優勝できなかったのは残念ですが、ここまで来れて本当によかったと思います」と、微笑んでいた。
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