コースアウトしないマシンが上位に進出
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2年生ながら第3位に 食い込んだ西村選手
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土屋君のマシン(インコース)が速いタイムで優勝!
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高校生 Advanced Classの部、栄えあるベスト8まで勝ち上がってきたのは、熊本県立御船高等学校から3選手、熊本県立球磨工業高等学校から2選手、香川県立三豊工業高等学校、香川県立高松工芸高等学校、徳島県立貞光工業高等学校から各1選手という布陣。高校の部をここ数年間リードしてきた四国勢と、それを目標に年々レベルを上げている九州勢、くしくもこの二大勢力による激突となったのである。中でも賞賛すべきは、熊本県立御船高等学校が参加3選手全てをベスト8に送り込むという快挙を成し遂げたこと。大会の歴史に、輝かしい1ページを残した。さて、そんな熊本県立御船高等学校から、村崎数樹君が1試合目に登場。対戦相手は、香川県立三豊工業高等学校のエース宮本大輔君である。宮本君のマシンは、決勝トーナメント一・二回戦とも連続レーンチェンジでコースアウトし、都合4回走ってまだ一度も完走していない。このレースでもまた、同じセクションでコースアウト。18.53秒で村崎君が勝ち上がり、三豊工業高等学校の戦いはここで終わった。続いて2試合目は、熊本県同士の戦い。予選5位の熊本県立球磨工業高等学校・皆越裕志君が17.34秒で、熊本県立御船高等学校の今井幸広君に順当勝ちを収めた。3試合目は熊本県立御船高等学校の西村一秀君が18.39秒で、香川県の新興勢力・香川県立高松工芸高等学校の嶋津康文君を退けた。ベスト8最後のレースは、1年生ながら予選を3位で通過し、決勝トーナメント一・二回戦でも17秒台前半のタイムを連発し、まさに絶好調の熊本県立球磨工業高等学校・土屋大樹君が17.24秒を出し、徳島県立貞光工業高等学校の小笠原勝平君を圧倒した。準決勝第一レースは、またもや球磨工業高等学校と御船高等学校の戦いである。実力で上回る皆越君のマシンが、スタート直後から村崎君のマシンをリードし、差を徐々に開いていく。ここで村崎君のマシンはまるで力尽きたかのように脱輪。17.21秒と決勝トーナメントでの自己ベストを更新した皆越君が、ファイナリストとなった。第2レースは三たび、球磨工業高等学校と御船高等学校の争いである。しかし、完全に波を手中に収めた土屋君のマシンに付け入るスキはなかった。スタートダッシュから一挙に差をつけて、迫力のゴール。計測されたタイムは16.97秒と決勝トーナメントこれまで唯一の16秒台をマーク。対戦相手の西村君も脱帽のスピードであった。この結果、3位決定戦は御船高等学校、ファイナルは球磨工業高等学校のチームメイト同士という、大会始まって以来の珍事とも言える対戦カードが実現。この時点で、九州勢が4位までを独占し、完璧な形で団体優勝を飾った。そして、まずは3位決定戦がスタート。2年生の西村君が先輩・村越君の胸を借りる形となったが、準決勝までに消耗しきった村越君のマシンは制御を失い無念のコースアウト。西村君が18.57秒でブロンズメダリストとなった。さて、いよいよ決勝である。少年の面影が残る土屋君と、3年生らしい落ち着いた表情の皆越君。ここまで来ると、勝ちたい気持ちはどちらも同じである。お互い慎重にスタートラインにマシンをセット、一瞬の静寂の後、弾けるように飛び出す2台のマシン。しかし、徐々に土屋君の愛車が差を広げていく。レーンチェンジも高速クランクもバツグンの制御でクリアし、リードを保ったままゴール! 16.96秒と、ファステストラップを更新する文句なしのレースを展開し、歓喜の優勝を果たした。
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